電気通信工事施工管理技士は、2019年にできた新しい資格です。
私は、この資格のことを知って、少しビックリしました。なぜならば、通信業界で最初の就職先で、社長からすすめられた仕事内容とピッタリだったからです。
34才経験なしで通信工事会社に入社した私は、「将来、通信工事の設計と施工管理をやってほしい」といわれたのです。まさに「電気通信工事施工管理技士」と仕事内容が一致します。
もちろん、当時は「電気通信工事施工管理技士」という資格はなく、工事担任者がやっていたようでした。
また、社長からは「デジタル1種をもっていれば、もう他の資格をとる必要はないよ」と、すごく曖昧なことを言われた記憶があります。
当時、通信工事の宅内の仕事は、工事担任者アナログ第1種とデジタル第1種がないと、すべての工事を実施、あるいは管理ができなかったはずなのです。
だから、自動車の免許と違い、けっこういい加減な資格だな、と当時の私は思いました。
ところが、出ました!
その工事担任者の曖昧なところを打ち砕く資格が。それが「電気通信工事施工管理技士」という資格です。
通信・ネットワークの発展がつくらせた資格なのか
よく新しい国家資格ができると、「官僚の天下りのための資格だ」と揶揄されたりしますが、「電気通信工事施工管理技士」は、本当に必要な資格で、もっと早くあってもおかしくないと思いました。
現在、メタル回線、光回線、同軸、無線などあり、昔とくらべ、とても複雑化しています。
とくに、MDFやIDF、端末周辺などで、線や機器がゴチャゴチャ散乱しているところが、やたらと多いです。古い配管などは、途中で切れていたり、詰まっていたりします。
古いマンションやビルなどでは、光回線が配線できない場合があります。無線で補おうとしても、無線の電波が正常に届かない建物も多いです。
1869年(明治2年)に、日本で初めて電信線が架設したころは、これほど通信が複雑化するなどと、想像もできなったことでしょう。
今後、有線は少なくなり、無線が主流になります。5G(第5世代移動通信システム)が普及すれば、IT化・AI化がますます進み、とてつもなく便利な時代がやってきそうです。
宅配はドローン、介護はロボット、自動車は空の道路というふうにSFの世界が現実味をおびてきてきました。
だから、超複雑化した通信・ネットーワークを的確に設計・施工管理できる人材が欠かせなくなるわけです。
実務経験が必須の資格
もし、あなたは、人間関係が上手くでき、おおきな通信プロジェクトに携わりたいのであれば、「電気通信工事施工管理技士」はおすすめの資格です。
ただし、工事担任者や電気通信主任と違い、実務経験がなければ取得できません。なので、通信の設計・管理に携われる会社にはいることが重要です。
また、現場を管理するとなると、それなりに精神的ストレスが強くなります。元請けや作業員の間にはさまれて、つらい思いもするでしょう。
責任が大きいため、メンタル面でのタフさも必要になるわけです。
以前、現場で工事会社の責任者が、発注元の担当者からガミガミ怒られているのを見たことがあります。しかも、自分の息子くらいの年齢の人に怒られていました。
部下や下請けのミスも自分の責任になりますので、その点は覚悟しなければなりません。
だから私は、一人の現場でコツコツやるのが好きなんですね(^-^)。
転職エージャントや派遣会社を利用しよう
工事担任者の資格をとり、将来、大きな仕事をやろうと思ったら、先に述べたとおり、設計・施工管理ができる会社にはいらなければなりません。
「そんな会社、どこにあるんだ!」
と思われる人がほとんどでしょう。実際、求人広告を見ても、そんな仕事の求人は皆無です。
私も、「配線工事」で応募した会社に入社後、「設計・施工管理をやってみないか」と、社長からすすめられ、そんな仕事もあるのか、思ったぐらいです。
だから求人としては、とてもレアな仕事といえます。
では、どうすればいいのでしょうか。あたりまえの話ですが、転職代行のプロに相談することです。
いきなり正社員で働くのに抵抗がある場合は、派遣会社でもいいでしょう。派遣社員から正社員になることもできます。
登録は無料なので、いくつかの会社に登録するといいでしょう。
通信の仕事は、建設業になるので、できれば建設や技術職に強い転職エージェントや派遣会社が、おすすめです。
ネットで検索すれば、たくさんの会社がでてきますが、参考までに下記の二社をあげておきます。
通信関係の仕事は数が少ないですが、担当者に要望を伝え、相談するのもいいでしょう。