・固定電話がなくなると、光回線に変えないといけないのか?
・光回線だと料金が高くなるから、嫌だな。
・インターネットは見ないので、固定回線だけでいいのにな。
こういった疑問に答えます。
・固定回線が廃止になるのかならないかが解る。
・どうして固定回線が廃止にならないかが解る。
・どのような仕組みで、固定回線が存続するのかが解る。
水道、ガス、電気と同じく生活に不可欠な固定回線はなくなりません。高齢化がすすむ日本では、緊急の際、消防や警察、警備施設への連絡手段として、固定電話は必需品だからです。
では、どのような形で固定電話は存続するのでしょうか?
固定電話の廃止は、いつなのか!?5Gが固定電話になる??
結論として固定電話はなくなりません。おそらく10年後、20年後も存在していることでしょう。
なぜならば、固定電話は生活必需品だからです。とくに高齢者にとっては欠かせないものです。スマホは、電話として使うには複雑なので、高齢者にとっては扱いにくいものです。簡単に電話ができる固定電話ほど、便利なものはありません。
また、スマホと違い持ち歩いたりしない固定電話は紛失の心配もありません。家庭で、命にかかわるような緊急事態になった場合でも、確実に消防や警察、警備会社へ連絡することができます。
スマホの台頭によって固定電話は減少傾向にありますが、今後も生活に不可欠な存在であることは間違いありません。
ビジネスでも不可欠な固定電話
会社勤めをされている方はご存知でしょうが、いまだにビジネスでは固定電話が業務に欠かせない存在です。多くの回線が、メタル回線(銅線)から光回線(IP化)へ移行はしていますが、固定電話が必需品であることは間違いありません。
私もPHSを使用する会社へ出向になったことがありますが、やはり固定電話のほうが使いやすかったです。短縮ダイヤルや内線転送など、PHSではボタンが小さくて、間違えて押してしまうことも、しばしばありました。
また、音声の聞き取りやすさも、PHSや携帯、スマホよりも固定電話のほうが上です。
メタル回線の線がゴチャゴチャ絡んでいるので、光回線への移行は無理だ
そもそも、メタル回線から光回線への移行自体が難かしいい状態です。とくに築年数の古いビルや施設では、困難を極めるでしょう。
なぜならば、古い建物のメタル回線は、線がゴチャゴチャして、まるで、かた焼きそば状態になっているからです。数百から数千のメタル回線を光回線に移行するとなると、たいへんな作業になります。
仮に移行ができたとしても、不具合の嵐が発生しそうです。
NTTはメタル回線の維持で毎年膨大な赤字を出しています。そのため、令和6年までにメタル回線の廃止を予定しています。
令和6年まで、あと4年ほどしかありません。メタル回線の光回線への移行は間に合いそうにありません。いったい、どうなるのでしょうか?
IPメタル電話という苦肉の策で固定電話が存続する
ところが、IPメタル電話という、おかしな名前のシステムで、メタル回線の存続ができるのです。
IPメタル電話のシステムは複雑そうですが、とても単純です。家庭やオフィスから中継機まで、従来のメタル回線(2本の銅線)で接続します。中継器でメタル回線から光回線へ変換して、局内のルーターへIP接続するというわけです。
この方式ですと、昔からあるメタル回線は電信柱や地下配管から、そのまま使用できるわけです。たいへん便利ですね。
しかし、まだ問題があります。
それは、メタル回線という通信線の維持費です。こちらも年間、多大な維持費用がかかっています。
いずれ、メタル回線の線自体もなくさなければなりません。
楽天が5Gでメタル回線を無くす?
ところが、メタル回線を廃止できる代替え手段が、ある企業で計画されていたのです。それは、なんと通信業界で最後発企業の楽天です。
たまたま私は、本屋である本を立ち読みしていたら、仰天することが書かれていました。なんと5Gの無線を、固定電話のアクセス回線(電信柱から建物へつながる線)にする計画があるというのです。
そうなると、線がゴチャゴチャした電信柱が、かなりスッキリしますね。
楽天の計画に対抗して、NTTも似たようなサービスをはじめました。光回線を提供しているNTTとしては、あまり歓迎すべきサービスではありませんが、楽天にシェアを奪われないためには仕方がなかったのでしょう。
5Gの固定電話は10年以上かかる
しかし、まだ問題があります。5Gが全国にいきわたるまで10年以上かかると予測されるからです。5Gの電波は障害物に弱く直進性が強いので、膨大な基地局が必要なのです。
従来の固定電話のように普及するまで10年はかかると考えられます。電信柱や信号機、建物の壁面など、ありとあらゆる場所に基地局を設置しなければならないからです。
5Gの便利さを実感できるには、まだ何年もかかりそうですね。
※参考:「通信業界の動向とカラクリがよくわかる本」第5版:秀和システム